平均保有時間とは?計算式と実データ
平均保有時間とは、口座のすべての決済済み取引について、ポジションを建ててから決済するまでの時間を平均したものです。戦略が想定していた保有期間ではなく、実際に使われた保有期間を、ブローカーの記録どおりに示します。説明されている戦略と公開されている運用実績が同じものかどうかを、いちばん手早く確かめられる指標です。
仕組み
決済済みの取引には、どれも新規時刻と決済時刻があります。この指標は、その差の算術平均です。口座の取引記録をもとにShowMyTradesのサーバーで計算し、そのまま表示できる形でページに送ります。
平均保有時間 = Σ (決済時刻 − 新規時刻) / 両方の時刻がある決済済み取引の数
この計算式には、読み方を左右する性質が3つあります。
中央値ではなく平均値です。3か月放置されたポジションが1つあると、90秒で終わった400件の取引と同じ平均に入り、そのどれよりも大きく結果を動かします。平均が短ければ短い取引が中心だという強い根拠になりますが、平均が長いのは、ほんの数件の外れ値のせいかもしれません。
数えるのは決済済みの取引だけで、対象は買いと売りの注文に限られます。入金、出金、キャンセルされた待機注文は除外します。含み損のまま1年持ち続けたポジションは、決済されるまで一切数に入らず、ようやく決済した日に平均が跳ね上がります。
ポジションはまとめずに、1件ずつ数えます。同時に20本の注文を持つグリッドなら、保有時間も20件記録されます。この数字が答えるのは「1つの取引がどれだけ保有されていたか」であって、「口座がどれだけの時間リスクにさらされていたか」ではありません。
なぜ重要か
保有期間は、取引記録では隠しようのない、戦略の構造そのものです。スイングトレードとうたう運用実績の平均保有時間が4分なら、説明に何と書いてあっても、それはスイングトレードではありません。どちらのスタイルが優れているという話ではありません。説明と実態が食い違っていること、それ自体が見るべきポイントです。
保有時間によって、どのコストが重くなるかも決まります。スプレッドと手数料は取引のたびに1回かかるので、保有時間が短いほど重くのしかかります。スワップは一晩ごとに発生し、ロールオーバーをまたいだポジションにしかかかりません。総損益が同じでも保有期間の違う2つのシステムは、まったく別のものにコストを払っています。
さらに、運用実績が一定の期間でどこまで証明できるかも保有時間で決まります。平均2時間の口座は根拠を短期間で積み上げられますが、平均3週間の口座は、同じ数の独立した結果を集めるのに何年もかかります。保有期間とプロフィットファクターをセットで読まなければならないのは、このためです。
実データから見えること
以下の数字は、トレーダー全般ではなく、ShowMyTradesで公開されている口座のものです。取引履歴のある公開口座全体(2026年8月時点)で、取引の保有時間の中央値は2.4時間、口座あたりの決済済み取引数の中央値は171件です。
つまり、デイトレードが中心の集団です。中央値の口座は同じセッションのうちに新規から決済まで済ませるので、ほとんどのポジションはロールオーバーを迎えません。それでも同じ記録には合計$862,547のスワップが計上されていて、スワップが発生している口座のうち86.3%は差し引きでスワップを支払う側です。夜をまたぐコストはポジションを持ち越す少数の口座に集中しており、そうした口座にとっては誤差ではなく、れっきとしたコスト項目です。
中央値が短い理由は、自動売買の数字を見るとわかります。自動売買の割合の中央値は99%、53.9%の口座は自動売買が90%を超えています。プログラムはルールが発動した時点でポジションを閉じます。1日の終わりを待つことはありません。
ShowMyTradesで確認できる場所
平均保有時間は、詳細統計の表ビューで、取引列の最後の行にあります。所有者のダッシュボードでも、公開口座ページでも同じです。単位は自動で切り替わり、1時間未満は分、1日未満は時間(小数点以下1桁)、それ以上は日と時間で表示します。
同じパネルでは、保有時間を分布として見ることもできます。表・曜日・時間帯・保有時間の切り替えの4番目にある保有時間ボタンを押すと、保有時間と損益の関係という散布図が開きます。横軸が保有時間(時間)、縦軸が損益で、バブルの大きさはロット数を表し、勝ちトレードと負けトレードに分かれています。知っておきたい制約が1つあります。表示されるのは直近200件の決済済み取引で、全履歴ではありません。見えるのは全期間の姿ではなく、最近の動きです。どの結果も手数料とスワップを差し引いた金額です。カーソルを合わせると、注文番号、銘柄、数量、保有時間、損益、新規と決済の時刻(分単位)が表示されます。
取引ごとに見たい場合は、取引履歴と残高推移テーブルに保有時間列を追加できます(決済済み取引のみ。初期設定では非表示で、列メニューからオンにします)。表示形式は2d 5h、3h 14m、12m、4m 20s、42sです。
よくある誤解
- 「平均は典型的な取引を表す」:これは平均値で、保有時間の分布は右に長く裾を引きます。平均がどれか実際の取引を表していると考える前に、保有時間の散布図を確認してください。
- 「平均が短ければスキャルピングの証拠」:勝ちトレードは数分で決済し、負けトレードは何週間も持ち続けるシステムでも、平均は短くなります。平均が短くなる一方で、リスクは長く居座ります。
- 「保有中のポジションも含まれる」:決済されるまでは含まれません。長く持ち続けている含み損益のポジションは、仕組み上ここには現れません。
保有期間を口座ページのほかの数字とあわせてどう読むかは、取引口座ダッシュボードの見方をご覧ください。
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