トラッキングの本当の意味
取引口座には、自分の行動の完璧な記録がすでに入っています。ポジションごとに、新規と決済の時刻、ロット数、銘柄、かかった手数料、持ち越しで払ったスワップが残っています。問題は、プラットフォームがそれを時系列のリストで渡し、最後に残高を添えるだけだということです。2,000行あっても、それはデータであって情報ではありません。火曜日の取引で木曜日の損失を穴埋めしていることも、総利益の3分の1がコストとしてブローカーに戻っていることも、そこからは読み取れません。
トラッキングは、その間をつなぐステップです。履歴を途切れなく集め、1日の出来事ではなく戦略そのものを表すいくつかの指標に組み直します。エクイティカーブ、最大ドローダウン、プロフィットファクター、1トレードあたりの期待値、総利益に占めるコストの割合、そして自分の入出金にゆがめられないリターンの指標です。最後の1つには、ほとんど誰もがつまずきます。新たに資金を入金したあとに残高が2倍になっても、運用で2倍になったわけではありません。時間加重収益率という指標があるのはそのためです。
きちんとやれば、3つの別々の問いに答えられます。利益は出ているか、そしてそのうちどれだけが口座の大きさではなく腕によるものか。そのリターンの代償は、最終結果ではなく最悪の時点でどれほどだったか。そして、自分の言葉を信じてもらわなくても、ほかの人がそれを確かめられるか。たいていの方法は1つ目に答えます。2つ目に答えるものもあります。3つ目に答えられるものはごくわずかですが、記録が自分以外の誰かにとって価値を持つかどうかを決めるのは、この3つ目です。
この話題になると必ず挙がる名前が2つあります。この2つがShowMyTradesより進んでいる点を、最初に書いておきます。MyfxbookとFX Blueは、どちらも何年も前から投資家パスワードでMetaTraderの口座を読み取っていて、どちらも無料の公開プロフィールを用意しています。Myfxbookには活発なフォーラムのあるコミュニティがあり、ShowMyTradesにはそれがありません。FX Blueは歴史が長く、機能も充実したツールです。数字を囲むコミュニティを求めているなら、このページで考えが変わることはありませんし、変えようともしていません。ここから先は、記録そのものの話です。
口座を記録する4つの方法
| 求めること | 取引報告書 | スプレッドシート | スクリーンショット | 口座分析サービス(連携型) |
|---|---|---|---|---|
| 数字の出どころ | ブローカーから直接 | 自分で入力 | そのとき画面に出ていたもの | ブローカーから読み取り専用で |
| 最新に保つ手間 | 毎回エクスポートし直す | 1トレードずつ手入力 | ワンクリック。ただしすぐ古くなる | 設定後は不要 |
| 見せたくない月も含まれるか | すべて送った場合のみ | 入力すると決めたものだけ | ほぼ含まれない | 口座全体を途切れなく |
| エクイティカーブとドローダウンの推移 | 最終的な数字のみ(カーブはなし) | 自分で作れば | その瞬間の1コマだけ | すべての取引から再構築 |
| スプレッド・手数料・スワップをコストとして扱う | 一覧はあるが分析はない | 入力した場合のみ | いいえ | 総利益に占める割合として |
| その取引をした理由 | いいえ | あり(ほかの方法ではできない) | いいえ | 自分でラベルを付けたものだけ |
| 複数の口座・ブローカーを1画面で | 口座ごとに1通の報告書 | 自分で作れば | いいえ | あり(有料のポートフォリオ機能) |
| 読み手が相手を信用せずに確認できる | ファイルは送る前に編集できる | いいえ | いいえ | ブローカーのデータで更新されるライブページ |
| 公開者が口座の所有者である証拠 | 書類上の名前 | なし | なし | 別途の認証ステップ |
| 共有の方法 | 添付ファイル | 添付ファイル | 画像 | リンク、または埋め込みウィジェット |
| 正式な書類として通用するか | 通用する(元の記録そのもの) | いいえ | いいえ | 通用しない(同じ口座を読み取っているだけ) |
このうち2つの行は、○×だけでは済みません。まず、「取引の理由」についてはスプレッドシートの勝ち。これはこの先も変わりません。退屈だったから取引したことも、席を外さなければならなかったから損切りを動かしたことも、ブローカーから出てくるデータには残せないからです。自分の規律を磨いているなら、トレード日誌はつけ続けてください。口座分析サービスはその下支えとして、そもそも手作業でやるべきではない計算を引き受けます。
もう1つは、正式な記録は今も取引報告書のほうという点です。口座分析サービスは、ブローカーやプロップファームが発行する書類の代わりにはなりません。同じ口座を途切れなく読み取ることで、主張と読み手のあいだにあるのがその書類だけ、という状態をなくすものです。どの行でも最下位のスクリーンショットについて言えば、問題は不正直さではなく、選別です。画像は誰かが選んだ一瞬を見せるもので、その「選ぶ」という行為こそが問題なのです。他人から戦略を買うなら、それでどこまでのことができてしまうかを偽のEA実績の作られ方で詳しく解説しています。
読み取り専用の連携で見えること、見えないこと
見えること
決済済みのすべてのポジションと、その新規・決済時刻、価格、数量、銘柄、手数料、スワップ。残高と有効証拠金の推移、入金と出金、保有ポジション、口座があるブローカーのサーバー、そしてリアル口座かデモ口座か(所有者の申告ではなく、ブローカーから取得)。
見えないこと
トレーダーの考えや計画、入ろうとしてやめた取引、口座の外にある資金。別の場所にある2つ目の口座で同じ戦略の反対側を運用していても、それは見えません。だから、きれいなページが1つあっても、それはその口座1つについての証拠であって、それ以上ではありません。
できないこと
取引です。MT4とMT5の投資家パスワードは、すべてを読み取れますが、注文の発注・変更・決済はできません。cTraderはOAuthで連携するため、パスワードのやり取りはなく、アクセスはcTrader側で取り消せます。TradeLockerは、ブローカーやプロップファームから発行されたログイン情報を使い、ShowMyTradesのサーバーで暗号化して保管します。
自分だけに見えること
当社のEAで連携した自分のMetaTrader口座については、ターミナルそのものの状態もお知らせします。取引サーバーへのPing、パケット再送、ビルド、メモリ、自動売買が許可されているか、DLLの使用が有効か。どれも公開ページには表示されません。所有者のための診断情報です。同じ戦略でも、220msの回線で動いていれば、もう同じ戦略とは言えないからです。
記録された口座の実際の姿
個人のFXで最もよく引き合いに出される2つの数字を並べてみます。ここで公開されている口座では、勝率の中央値は68.8%で、10回中およそ7回がプラスで決済されています。一方、コスト控除後のプロフィットファクターの中央値は1.28です。この2つが両立する形は1つしかありません。負けトレードが勝ちトレードよりはるかに大きい、ということです。10回中7回勝っても、1.00の損失に対して1.28しか返ってこない口座は、利益を早く切り、損失を抱え込んでいます。悪い週があと1回来れば、1年分の利益を吐き出しかねません。これはトラッキングが教えてくれた最も役に立つ事実で、スクリーンショットからは決してわからなかったはずです。耳が痛いと感じたなら、それこそ勝率が優位性にならない理由で伝えたいことです。
ドローダウンは、同じ話を反対側から語ります。口座の最大ドローダウンの中央値は9.7%。穏やかに聞こえますが、分布の端を見ると印象が変わります。38.2%の口座が20%を超えるドローダウンを経験し、17.6%はこれまでに一度は資金が半分以下になっています。一方で、時間加重収益率の中央値は+3.2%、プラスの口座は63.0%です。大半の口座は目立たずに少しだけプラス、かなりの少数派は深刻な局面をくぐり抜けており、その2つを平均しても誰の姿も表しません。リターンを見せても、それを生んだ最悪の時点を見せないページは、記録の半分が欠けています。
もう1つ覚えておきたい数字があります。記録されている口座の中央値は、決済済み取引が171件、1トレードの保有時間が2.4時間です。結論を出すには少ない履歴ですが、ほとんどの人はだいたいこの程度で結論を出しています。運用実績に必要な期間の目安では、各指標が安定するまでにかかる期間を数字で示しています。どの指標も、思っているより長くかかります。
口座分析サービスで確認すべきこと
求められる認証情報
読み取り専用のパスワードがあるのに、取引できるパスワードを求めてくるサービスなら、理由を聞いてください。読み取り専用は、説明文で約束するものではなく、プラットフォームの仕組みで守られるべきものです。
自分のプラットフォームに対応しているか
MT4とMT5はどこでも対応しています。MyfxbookもFX BlueもcTraderとTradeLockerには対応していませんが、ShowMyTradesは4つすべてに対応しています。ブローカーやプロップファームがMetaTraderから移行した場合には、ここが重要になります。
2種類の認証
「運用実績認証済み」は、書き込みのできない経路でデータがブローカーから届いたことを示します。「取引権限認証済み」は、公開者が口座そのものを管理していると証明したことを示します。問いが違えば、バッジも違います。詳しくはそれぞれのバッジが証明することをご覧ください。
利益だけでなくコストも
スプレッド、手数料、スワップは、ぎりぎりの戦略がそもそも成り立つかどうかを左右します。総利益に対するコストの割合を一度も表示しないサービスは、いちばん行動に結びつく数字を隠していることになります。
公開範囲を自分で決められるか
非公開、公開、限定公開(リンクのみ、検索にも「公開口座を探す」ページにも表示されない)。ロット数、コメント、損切り・利確の価格は個別に隠せるので、手の内を明かさずに結果を証明できます。
リンクがどうなるか
カスタムのスラッグ(URLの識別子)は30日に1回変更でき、旧アドレスは恒久的にリダイレクトされます。そのため、誰かのサイトに埋め込んだウィジェットも、変更後そのまま動きます。
口座分析サービスが向いていないこと
冒頭で認めたことを、ここでも繰り返します。ShowMyTradesにはコミュニティもフォーラムもありません。話題にされることが目的なら、ここは答えになりません。また、企業から正式な書類を求められたとき、トラッキングはブローカー自身の取引報告書の代わりにはなりません。それに、戦略に意味があるかどうかも教えてくれません。わかるのは、戦略が実際に何をしたかだけです。
その代わりに得られるものは、範囲は狭くても長く役に立ちます。自動で更新され続け、毎月同じ方法で計算され、見知らぬ人があなたの言葉を信じなくても開いて確かめられる記録です。日々の運用についてはトレード成績を記録・分析する完全ガイドをお読みください。データが揃ったあとのパネルの見方は、取引口座ダッシュボードの見方で1つずつ解説しています。コストについては、まずブローカーのコスト監査から。そして、それ以前に必要なロット数やリスクの計算には、計算ツールが無料で使えます。新規登録も不要です。
実際によく寄せられる質問
口座を1つ連携して、これまでの動きを確かめる
MT4、MT5、cTrader、TradeLockerに読み取り専用で対応し、ブローカーが提供する範囲まで履歴をさかのぼって再構築します。無料で、自分で決めるまでは非公開。サイトのどこにも広告はありません。