時間加重収益率(TWR)とは:入金で成績を水増しできない理由(2026年版)
💰 残高は増えた。では、腕前は?
ある口座が$10,000で年をスタートし、$22,050で年を終えました。誰かが残高のスクリーンショットを撮り、「年間120%」と言います。
実際は違います。そのお金の半分は、銀行振込で入ってきたものです。
これは主に不正の問題ではなく、計算の問題です。残高の変化が答えているのは「口座にいくらお金があるか」で、取引ではなく資金の出し入れについての問いです。それでも2つは絶えず混同されます。どの取引報告書でも、いちばん上に載っているのが残高だからです。
その解決策が時間加重収益率です。その時点で実際に口座にあった資金に対して、自分の判断が何をもたらしたかを測る指標で、お金の出入りはあえて見ないようにできています。ShowMyTradesの口座ページでは収益率という名前の指標で、すぐ隣に絶対収益率が並んでいます。2つが食い違ったときに、それがひと目でわかるようにするためです。
🧮 TWRの計算方法
TWRは始点と終点を見るのではなく、その間のすべての日を見ます。
日ごとに、その日に動いた資金を取り除いたうえで、その日の始まりの有効証拠金に対するリターンを測ります。
r = (終了時の有効証拠金 − 純入出金額) ÷ 開始時の有効証拠金 − 1
次に、日次リターンを複利でつなぎ合わせます。
TWR = (1 + r₁) × (1 + r₂) × … × (1 + rₙ) − 1
考え方はこれだけです。入金も出金も、それが発生した日のうちに差し引かれるので、「リターン」として数えられることはありません。変わるのは、翌日のリターンを測るときの基準額だけです。
ここから2つのことが言えます。どちらも重要です。
- 入金や出金でTWRは動きません。上にも下にも動きません。$50,000を振り込んでも残高が変わるだけで、ほかには何も変わりません。
- 口座の大きさは有利になりません。資金を2倍にしても収益率は2倍になりません。パーセンテージのリターンは口座の規模に左右されないからです。口座サイズの違う2人のトレーダーを比べられる数字がTWRなのは、まさにこのためです。
段差は銀行振込によるものです。取引の成果をまだ表しているのは、平らなままの線だけです。
ファンドマネージャーの成績がこの方法で測られるのも同じ理由です。マネージャーが決められるのは売買であって、顧客がいつ資金を入れるかではありません。残高の伸びが評価しているのは顧客の入金スケジュールで、TWRが評価しているのはマネージャーです。
冒頭の例を解く
トレーダーは$10,000で始めて$1,000の利益を出し、さらに$10,000を入金し、増えた元手で$1,050の利益を出しました。
| ステップ | 出来事 | 残高 | 期間リターン | 収益率(TWR) | 絶対収益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | $10,000を入金し、取引開始 | $10,000 | — | 0.00% | 0.00% |
| 2 | 決済で+$1,000 | $11,000 | +10.0% | +10.00% | +10.00% |
| 3 | $10,000を入金、取引なし | $21,000 | 0% | +10.00% | +5.00% |
| 4 | 決済で+$1,050 | $22,050 | +5.0% | +15.50% | +10.25% |
同じ口座から、3つの違う話が出てきます。
- 残高の伸び:+120.5%。意味がありません。大半は銀行振込によるものです。
- 収益率(TWR):+15.50%。1.10 × 1.05 − 1から求めた値で、実際に取引した2つの期間を複利でつないだものです。
- 絶対収益率:+10.25%。入金の合計$20,000に対する、決済済み取引の純利益$2,050です。
ステップ3をよく見てください。誰も予想していない部分です。取引がゼロの日に、絶対収益率は10%から5%に下がっています。損失は出ていません。分母が大きくなっただけです。TWRはまったく動いていません。TWRを使う意味は、まさにそこにあります。
⚖️ 収益率と絶対収益率:2つの意見ではなく、2つの問い
この2つは、同じものを別々に見積もった数字ではありません。答えている問いが違うのです。両方とも必要なので、ShowMyTradesは両方を表示しています。
| 収益率(TWR) | 絶対収益率 | |
|---|---|---|
| 答えている問い | このトレーダーの取引はどれだけうまかったか | 入れたお金に対して、この口座はいくら稼いだか |
| 計算式 | 有効証拠金の日次リターンを複利でつなぐ | (決済済み取引の純損益 ÷ 入金総額) × 100 |
| 入金で動くか | 動かない | 動く:分母が大きくなる |
| 出金で動くか | 動かない | 損益の計算の中で処理される |
| トレーダー同士で比べられるか | 比べられる | 入出金のパターンが似ている場合のみ |
| 稼いだ金額を反映するか | しない | する |
| 向いている用途 | 腕前の順位づけ、手法の比較 | 投じた現金に対する実際の成果、自分の損益 |
実践的なルールはこうです。2つが大きく食い違うとき、その差が教えてくれるのは入出金のパターンであって、必ずしもうそではありません。毎月資金を追加しているトレーダーは、絶対収益率が収益率より必ず低く出ます。最近の入金には、まだ利益を生む時間がほとんどなかったからです。それはごまかしではありません。
大事なのは、そのパターンが開示されているかどうかです。口座ページでは開示されています。入金と出金がエクイティカーブの上に直接描かれるからです。ページのほかの部分の読み方は、取引口座ダッシュボードの見方で同じように解説しています。
🕳️ 入金でドローダウンを埋もれさせる
ここからは、この指標が見破るためにある操作の話です。
あるトレーダーが$10,000の口座の40%を失いました。有効証拠金は$6,000です。それを公開する代わりに$10,000を振り込み、残高チャートを$16,000から再開させます。数週間後、+$800で決済します。
| ステップ | 出来事 | 残高 | 収益率(TWR) | 絶対収益率 | 最大DD |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 開始 | $10,000 | 0.00% | 0.00% | 0% |
| 2 | $4,000の損失 | $6,000 | −40.00% | −40.00% | 40% |
| 3 | $10,000を入金 | $16,000 | −40.00% | −20.00% | 40% |
| 4 | +$800で決済 | $16,800 | −37.00% | −16.00% | 40% |
誰もが口にしそうな見出しはこうです。「$10,000で始めた口座に、いまは$16,800ある。68%のプラス」。
次に、取りつくろえない行を見てください。収益率は−37.00%です。40%の穴が、複利の連鎖の中にずっと残る掛け算の要素になっているからです。0.60 × 1.05 = 0.63。入金で変わったのは基準額であって、過去ではありません。
ステップ3で絶対収益率に何が起きたかに注目してください。取引を1件もしていないのに、−40%から−20%に改善しています。損失が小さくなったわけではありません。割る側の入金総額が2倍になったのです。絶対収益率は入金で薄めることができます。TWRはできません。
この非対称性があるからこそ、2つの数字を並べると手口が見えてきます。お金が入った日に損失が半分になったなら、それは損失を薄く引き延ばしているだけです。ドローダウンの数字と、エクイティカーブ上の入金マーカーを見れば、10秒で確かめられます。こうした検証手順の続きは、宣伝されるトレード成績を検証する完全ガイドにまとめています。
🎯 絶対収益率のほうが役に立つとき
TWRのほうが厳しい物差しです。ただ、いつもより役に立つとは限りません。そうでないふりをするのも、ある種の不誠実です。
お金について知りたいとき:TWRはその時点にたまたまあった有効証拠金に対するパーセンテージなので、生き残った$300の有効証拠金での+80%も、$80,000での+80%も同じ評価になります。絶対収益率は入金の総額を基準にしているので、規模感を正しく保てます。
一度だけ入金して、あとは手をつけていない口座:入金が1回だけで出金もなければ、2つの数字はほぼ同じになり、絶対収益率のほうが直感的に読めます。
損失から回復したあと:TWRのいちばん鋭い面であり、いちばん正当な批判が向けられる点でもあります。上の表のステップ3から、$16,000の元手で$4,000を全額取り戻したとします。期間リターンはわずか+25%です。金額で見れば元に戻っている(入金$20,000、口座にも$20,000)のに、収益率は−25%のまま(0.60 × 1.25 − 1)です。
TWRは、現金で見て元に戻ったかどうかは気にしません。気にするのは、ピーク時に資金を入れていた人が、その下落と回復を丸ごと経験したということです。正しく、そして容赦がありません。
利益を収入として引き出しているとき:毎月利益を引き出すトレーダーの有効証拠金は、ずっと小さいままです。TWRはそれをきちんと扱えます。一方、絶対収益率は、入れたお金に対して実際にいくら引き出せたかを教えてくれます。引き出している本人にとっては、たいていこちらのほうが大事な問いです。
両方を読んでください。収益率は運転手の腕前を、絶対収益率は旅の結果を測る指標です。ある収益率がこの先どう複利で増えるかは複利計算ツールで確かめられます。穴から這い上がるのにどれだけかかるかは、ドローダウン計算ツールと組み合わせて見積もってください。
🖥️ ShowMyTradesの口座ページでTWRが表示される場所
TWRは統計欄の片隅にある1つの数字ではありません。推移は口座ごとに保存され、いくつものモジュールで使われています。
統計パネル:パネルの最初の2行が収益率と絶対収益率で、その下に、同じ時間加重の系列から計算した平均日次リターンと平均月次リターンが続きます。同じパネルのさらに下には、残高、有効証拠金、最高残高、損益と並んで、入金と出金がそれぞれの合計額として表示されます。いくら追加されたのかを推測する必要はありません。独立した1行として載っているからこそ、2つのリターンを比べる意味が出てきます。
収益率(チャート):保存されたTWRの推移を、日付に沿って描いたチャートです。入出金を取り除いた、腕前そのものの形です。チャートのパネルはエクイティカーブ、損益、収益率、取引ごとの収益率、ドローダウンを切り替えられるので、収益率からエクイティカーブに切り替えれば、入金による段差はすぐにわかります。残高は跳ね上がっても、収益率の線は跳ねません。
取引ごとの収益率:同じ推移を、日付ではなく取引の番号順に並べたものです。長い休止期間が曲線をよく見せてしまう効果を取り除き、その曲線が千回の小さな優位性の積み重ねなのか、3回の幸運な取引でできたものなのかを見せてくれます。
エクイティカーブ:入金と出金は時間軸上のマーカーとして描かれ、金額はツールチップに表示されます。ドローダウンの底で追加入金された瞬間をとらえられるのは、ここです。
月次リターンの表:各セルはその月の時間加重の数字で、年間と全期間の合計は足し算ではなく複利で計算しています。+50%の月のあとに−50%の月が来れば、結果はゼロではなく−25%だからです。
取引テーブル:入金と出金は、取引の中に「入金」「出金」の行としてはっきり表示されます。チャートから推し量らなくても、正確な日付と金額がわかります。
カスタム分析:サイドパネルで取引の種別ごとに絞り込めます。入金と出金もそれぞれ独立した種別として選べ、絞り込みの条件は何度でも使えるプリセットとして保存できます。
ウィジェット:埋め込み用のウィジェットにも同じ収益率の系列を載せられます。リアルタイムの埋め込みでも、自動生成される画像でも構いません。自分のサイトに置いたものは口座のデータから作り直され続けるので、スクリーンショットのように古びていきません。
📊 実際の口座で見るTWR
以下の数字は、連携済みの1万以上の口座と、同期された15,436,464件の取引(2026年8月時点)のうち、取引履歴のあるShowMyTradesの公開口座で測ったものです。ここで公開されている口座の姿であって、世の中のトレーダー全体の姿ではありません。
| 指標 | 公開口座の中央値 |
|---|---|
| 収益率(TWR) | +3.2% |
| 最大ドローダウン | 9.7% |
| プロフィットファクター | 1.28 |
| 勝率 | 68.8% |
| シャープレシオ | 0.05 |
| 決済済み取引数 | 171 |
時間加重で見ると、これらの口座の63.0%がプラスです。過半数ですが、誰かに緑の3か月を見せられたときにこそ思い出すべき数字でもあります。期間を十分に短く切れば、プラスかどうかはコイン投げとほとんど変わりません。違いは見せ方のうまさだけです。
月数だけでなく取引数も数えてください。スキャルパーなら数週間で十分なサンプルに届きますが、スイングトレーダーには何年もかかります。
どんな比較にも持っていきたい数字が、あと2つあります。20%を超えるドローダウンを経験した口座は38.2%、50%を超えた口座は17.6%です。+40%という収益率は、ドローダウンが8%だった場合と55%だった場合とでは、意味がまったく違います。だから2つは決して切り離して読みません。また、ShowMyTradesでは699人のユーザーが複数の口座を運用しており、そのうち429人は複数のブローカーを使っています。資金は口座の間を絶えず行き来しています。入出金に左右されないリターン指標が机上の話でなくなるのは、まさにこうした環境です。
⚠️ TWRのよくある5つの読み違い
- 収益率を金額として読む:平均$400の有効証拠金で運用された口座の+200%は、$800です。収益率は腕前を順位づけるもので、いくら稼げるかを示すものではありません。絶対収益率と残高もあわせて確認してください。
- 収益率と絶対収益率の差を不正の証拠だと思い込む:たいていは定期的な入金が原因です。エクイティカーブを開いてマーカーを見てください。お金が決まったペースで入っているのか、穴の底で入っているのか。何か裏があるのは後者だけです。
- 少ないサンプルでTWRを信用する:ここでの公開口座の中央値は、決済済み取引171件です。20件の取引で出た+30%の収益率は、運用実績ではなく、偶然のばらつきの範囲に収まる数字です。
- 期間の違う数字を比べる:14か月で+25%と4か月で+25%は、同じ主張ではありません。平均月次リターンと月次リターンの表を使って同じ土俵にそろえてください。手順はトレード成績を記録・分析する完全ガイドで紹介しています。
- 出どころを確かめずに数字を信用する:誰かが手入力したデータから計算したTWRは、作り話の上の計算です。指標の価値は、その裏にあるブローカーとの連携で決まります。それを示すのが認証バッジです。認証済みと未認証の運用実績の違いもあわせて読んでください。
❓ よくある質問
ブローカーでは口座が120%増えたことになっているのに、このページでは+15.5%です。どちらが間違っていますか?
どちらも間違っていません。ブローカーが報告しているのは残高の変化で、すべての入金が含まれています。収益率は、その時点にあった資金に対して取引が何をもたらしたかを示します。答えている問いが違い、ほかのトレーダーと比べられるのは後者だけです。
利益を出金すると、収益率は下がりますか?
下がりません。出金は入金とまったく同じように、発生した日のうちに取り除かれます。ShowMyTradesでは、お金を引き出しても運用実績が傷つくことはありません。
取引を1件もしていないのに、入金した日に絶対収益率が下がったのはなぜですか?
絶対収益率は、決済済み取引の純損益を入金の総額で割ったものだからです。分母を大きくしたのです。何も失っていません。同じ利益を、より大きな資金に対して測っているだけです。収益率はまったく変わっていません。
口座を公開するとき、どの数字を示せばよいですか?
両方と、ドローダウンです。収益率だけを示せば「いくらの資金で?」と聞かれ、絶対収益率だけを示せば「何回追加入金したの?」と聞かれます。ページには3つが同時に表示されます。数字を送るよりリンクを送るほうがよいのは、そのためです。
そもそもTWRはごまかせますか?
入出金ではごまかせません。ただし、履歴がごく短い場合や取引が数件しかない場合、破綻寸前から回復した直後などは、見栄えのよい数字になることがあります。有効証拠金がわずかしかないと、パーセンテージが激しく振れるからです。結論を出す前に、ドローダウン、総取引数、平均保有時間とあわせて読んでください。
収益率は、自分の口座に投資した人が得たはずのリターンですか?
期間中ずっと資金を入れたままで、本人の入出金が一切なかった場合に限ります。投資家個人のリターンは、いつ資金を入れたかで変わります。それは金額加重の問いで、ページの中でそれに近いのは絶対収益率です。
🔗 関連ガイド
- 取引口座ダッシュボードの見方:ページのほかのすべての指標と、どれがごまかせるか
- 宣伝されるトレード成績を検証する完全ガイド:シグナルにお金を払う前に確かめるチェックリスト
- トレード成績を記録・分析する完全ガイド:毎月、実際に追うべき数字
- 取引口座を認証する方法:収益率に読む価値を与えるバッジを取得する
実際のデータで確かめてください。公開口座を探すのフィードには、稼働中の口座が収益率とドローダウンつきで並んでいます。どれかを開けば、絶対収益率、入金と出金の合計、そしてエクイティカーブ上のマーカーが見られます。2つのリターンの差を説明してくれるのは、そのマーカーです。
無料で口座を連携。読み取り専用で、TWRは自己申告ではなく、ブローカーのデータから計算されます。