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その勝率は当てにならない:実際の口座が示す数字(2026年版)

公開口座の勝率の中央値は68.8%、なのにプロフィットファクターの中央値はわずか1.28。この差を生む計算と、自分の口座での確かめ方を解説します。

トレードの大半は勝っている。なのに口座はほとんど増えていない。原因は規律のなさか、ブローカーか、それとも相場か。そう考えてきたかもしれません。

答えは単純な算数です。

ShowMyTradesで取引履歴のある公開口座を見ると、勝率の中央値は68.8%、プロフィットファクターの中央値は1.28です。2つを合わせて読むと、10回中およそ7回勝ちながら、手元にはほとんど何も残らない口座の姿が浮かび上がります。

このガイドでは、そのギャップを掘り下げます。高い勝率と横ばいのエクイティカーブがなぜ矛盾しないのか、勝率に意味を持たせるにはペイオフレシオがどれだけ必要か、そして口座ページのどこで自分の数字を確かめられるか、です。

🎯 両方とも朗報、とはいかない2つの数字

勝率68.8%と聞くと、相場を読み切っているように思えます。一方で、プロフィットファクター1.28は、$1負けるたびに28セントしか上乗せできない計算です。

どちらの数字も同じ口座群から取ったものです。口座が増えるかどうかを決めるのは、右側の数字だけです。

ひとつ、正直に断っておきます。これは同じ口座群の中央値を2つ並べたもので、1人のトレーダーについての事実ではありません。勝率が中央値の口座と、プロフィットファクターが中央値の口座が同じとは限らないのです。それでも、ShowMyTradesで公開されている口座の全体像は、一貫して同じ形を描いています。時間加重収益率の中央値は+3.2%、シャープレシオの中央値は0.05、最大ドローダウンの中央値は9.7%です。そして時間加重で見てプラスの口座は63.0%です。惨敗の集まりではなく、あと一歩届かない口座の集まりです。

勝率は高いのに、リスク調整後のリターンはほぼゼロ。この組み合わせを説明できる理由は1つしかなく、それは運の悪さではありません。

➗ 誰もしていない計算

プロフィットファクターは、勝ちトレードの利益の合計を、負けトレードの損失の合計で割った値です。式に入る前に1点だけ。ShowMyTradesの詳細統計に出る金額はすべて(プロフィットファクターの元になる2つの合計も、平均利益、平均損失、期待値も)、トレードの損益にスワップと手数料を加えた数字です。勝ちトレードと数えるのも、この純額がゼロを上回った場合だけです。ブローカーの取り分は、最初から全部の数字に含まれています。

では、両方を分解してみます。

  • 利益の合計 = 勝ちトレードの数 × 平均利益
  • 損失の合計 = 負けトレードの数 × 平均損失

したがって、

プロフィットファクター =(勝ち数 ÷ 負け数)×(平均利益 ÷ 平均損失)

互いに独立した2つの項です。1つ目は、勝率をオッズ(勝ち数と負け数の比)で表したもの。2つ目がペイオフレシオで、典型的な勝ちトレードが典型的な負けトレードに対してどれだけの価値を持つかを示します。どちらか一方だけでは優位性(エッジ)になりません。優位性を表すのは、2つの積です。

ここに中央値を当てはめてみます。勝率68.8%は、負け1回に対して勝ち2.21回です。プロフィットファクターが1.28になるには、ペイオフレシオは次の値でなければなりません。

1.28 ÷ 2.21 = 0.58

平均利益は、平均損失の58%程度しかありません。言い換えれば、典型的な負けは典型的な勝ちの約1.7倍です。

これはまだ心理の話ではなく、構造の話です。公開口座の多くは、負けるよりはるかに頻繁に勝ち、その利益を負けトレードで吐き出しています。

期待値を見ると、傷の深さが具体的にわかります。ShowMyTradesのツールチップでは、期待値を(勝率 × 平均利益)−(負け率 × 平均損失)と定義しています。勝率68.8%、ペイオフレシオ0.58なら、平均的なトレードが生むのは平均損失1回分の約8.7%です。典型的な負けトレードで$100を失うとすると、典型的なトレードがもたらすのは$8.70。すでに純額なので、これがそのまま残高に届きます。

📋 損益分岐勝率の早見表

勝率を評価する前に、超えるべき基準を知っておく必要があります。損益分岐となる勝率は1 ÷(1 + リスクリワード比)。真ん中の列を下回る勝率なら、手応えがどれだけよくても負けるシステムです。

リスクリワード比(平均利益 ÷ 平均損失)損益分岐に必要な勝率勝率68.8%で得られるプロフィットファクター
0.25 : 180.0%0.55
0.5 : 166.7%1.10
0.75 : 157.1%1.65
1 : 150.0%2.21
1.5 : 140.0%3.31
2 : 133.3%4.41
3 : 125.0%6.62

右の列をじっくり読んでください。勝率68.8%は、ペイオフレシオがまともでありさえすれば、本当に優秀な数字です。1:1ならプロフィットファクターは2.21で、十分に通用する戦略。2:1なら、並外れた戦略です。

ShowMyTradesで測った口座群は1.28なので、ペイオフレシオは0.6をわずかに下回り、表の2行目と3行目の間に位置します。これを損益分岐の式に戻すと、1 ÷(1 + 0.58)= 63.3%。中央値の公開口座が、収支トントンを保つだけで必要な勝率です。実際の勝率は68.8%。勝負を分けているのは、この5.5ポイントの差だけです。

この表からは、さらに2つのことがわかります。誰もが軽く見る勝率40%のトレンドフォロワーは、1.5:1でちょうど損益分岐に乗り、2:1ならプロフィットファクター1.33を出します。そして勝率90%でも、ペイオフレシオが約0.11を下回れば負けるシステムになります。負けを認めたくなくて損切りを遠ざけるたびに、知らず知らずのうちに受け入れているのが、この交換条件です。

式に入れる数字にも注意が必要です。平均利益と平均損失を金額で取れば、手数料とスワップを差し引いた純額なので、正直な答えが出ます。同じ行のもう半分にあるpipsの値を使うと、コスト前の答えになり、こちらは必ず実際よりよく見えます。

🪞 なぜペイオフレシオは逆転してしまうのか

損失が利益の1.7倍になるシステムを、最初から作ろうとする人はいません。もっともらしい判断を1つずつ積み重ねるうちに、自然とそうなっていきます。

含み益が出たトレードを決済すれば、不確かな利益が確かな利益に変わります。確実さはリスク管理のように感じられます。含み損のトレードを決済すれば、評価上の損失が確定した損失に変わります。だから待つ。そして待つとたまにうまくいくので、この癖はなかなか抜けません。行動ファイナンスでは、この非対称性をディスポジション効果と呼びます。利益は早く確定し、損失は確定を先送りする傾向のことです。

結果は機械的に決まります。勝ちトレードは利益の分布の小さい側で打ち切られ、負けトレードはテール(分布の裾)まで丸ごと残ります。勝率は上がり(まだ決済していない損失は、まだ損失として数えられません)、ペイオフレシオは静かに逆転していきます。

同じ集計から、裏付けとなる数字を2つ挙げます。公開口座のトレード保有時間の中央値は2.4時間です。また、スワップが発生している口座のうち、スワップの収支が差し引きマイナスなのは86.3%です。ロールオーバーをまたいで持ち越したポジションが、黙ってお金を削っています。

しかも、これは人間だけの弱点ではありません。公開口座の自動売買の割合は中央値で99%です。53.9%の口座が90%超を自動で運用し、42.2%の口座は10%未満です。コードも、そう書かれていれば同じことをします。近い利確と、遠い(あるいは存在しない)損切りを組み合わせれば、見事な勝率と、まさにこの形のペイオフレシオが、機械の速さで生まれます。

(ShowMyTradesは、口座でどの市販ロボットが動いているかを推測せず、EA(エキスパートアドバイザー)ごとの情報も一切公開していません。自動売買の割合から何かが特定されることもありません。これはマジックナンバー(cTraderではボットのラベル)が付いたトレードの割合にすぎず、それが何を意味するかは口座の所有者にしかわかりません。)

💸 コストは最初から数字に含まれている

平均損失の8.7%という優位性は薄いものです。つい「そこからさらにブローカーの取り分が引かれる」と考えたくなりますが、ShowMyTradesではその引き算はもう済んでいます。1.28は手数料とスワップを払った後に残った数字で、支払い前に戦略が生んだ数字ではありません。ここには2つの意味があります。口座群はコスト前の比較から想像されるほど弱くはありませんし、逆に、バックテストや販売者が示すコスト前の数字は、まったく同じトレードでもかなり高く出ていたはずです。

ShowMyTradesのページの統計は、すべてこのバーの右端で測っています。運用成績レポートが示すのは、たいてい左端です。

それでも、ページでは両方が見えるようにしています。手数料合計とスワップ合計が、「取引」の列に絶対額で表示されます。ShowMyTradesに連携されている口座全体では、手数料が$4,782,670、スワップが$862,547に達します。公開口座だけでも取引量は1,724,575ロット、同期した取引は全体で15,436,464件です。分母が違うので、一方を他方で割らないでください。この規模ではコストが結果を左右する、その証拠として読むのが正解です。

ここから、無料でできる診断が1つ見えてきます。期待値は、1行にpipsと金額の2つで表示されます。pipsは純粋な値動きで、コストは見えません。金額は純額です。pipsがプラスなのに金額がマイナスなら、相場は正しく読めているのに、その成果をブローカーに渡している戦略です。

🔍 自分の口座で確かめる方法

どれもShowMyTradesの口座ページなら、1分もかからずに読み取れます。表計算ソフトは要りません。

見る項目場所チェックのポイント
勝率詳細統計 → 取引単独では読まない
平均利益と平均損失詳細統計 → 取引(pipsと金額)金額どうしを割る。それが純額のペイオフレシオ
プロフィットファクター詳細統計 → パフォーマンス指標1.0未満は構造上の負け
期待値詳細統計 → パフォーマンス指標pipsと金額で表示。金額でプラスであること
平均保有時間詳細統計 → 取引自分が思っている保有時間と比べる
手数料合計 / スワップ合計詳細統計 → 取引ペイオフレシオがすでに吸収しているもの

次に、ディスポジション効果を目に見える形にする表示です。保有時間に切り替えると、保有時間と損益の関係のチャートが出ます。決済済みのトレード1件につき1点、横軸が保有時間、縦軸が純損益、バブルの大きさがロット数です。赤い点がいつも緑の点より右にあるなら、負けトレードを勝ちトレードより長く持っているということ。動かぬ証拠です。

原因を切り分けるには、カスタム分析を開きます。保有時間(秒)、銘柄、ロット数、損益の範囲、時間帯、曜日、マジックナンバー(自分の口座に自分で付けたラベル)で絞り込むと、すべての統計が絞り込んだトレードだけで再計算されます。1時間未満のトレードと、1日以上持ったトレードを比べてみてください。2つの成績が同じ戦略に見えることは、まずありません。

仕上げに役立つ計算ツールが2つあります。破産確率計算ツールは、勝率・平均利益・平均損失・1トレードあたりのリスクから、資金を失う確率を計算します。ロット計算ツールを使えば、平均損失を計画どおりの大きさに保てます。ツールの全体像はFX計算ツールのガイドにまとめています。

ページのほかの部分(収益率と絶対収益率の違い、有効証拠金ベースと残高ベースのドローダウン、Zスコア、AHPRとGHPR)については、取引口座ダッシュボードの見方をご覧ください。

⚠️ この数字のよくある5つの誤用

  1. ペイオフレシオを示さずに勝率だけを掲げる。「勝率85%」はパフォーマンスの主張ではなく、2つの項の積のうちの1項にすぎません。平均利益、平均損失、プロフィットファクターを求めてください。出てこなければ、飾りと見なすこと。宣伝されるトレード成績を検証する完全ガイドで取り上げているのと同じ姿勢です。
  2. 勝率を意図的に引き上げる。損切りを広げる、外す、ナンピンする。どれも確かに勝率は上がります。しかし損失はテールと保有ポジションに押し込まれ、赤字の月としてではなく、有効証拠金ベースと残高ベースのドローダウンの差として表に出てきます。
  3. 相容れない戦略どうしで勝率を比べる。勝率75%のスキャルパーと45%のスイングトレーダーを、その数字で順位づけることはできません。どちらが上かを決めるのは、リスクリワード比です。
  4. 少なすぎるトレード数で判断する。公開口座の履歴の中央値は、決済済み取引171件です。そのうち30件で測った勝率は、統計の顔をしたノイズにすぎません。ペイオフレシオには、さらに長い履歴が必要です。飛び抜けて大きな負けが1回あるだけで平均損失が動き、ほかの数字はそれに連動しないからです。
  5. コスト控除後のプロフィットファクターと、コスト控除前のものを比べる。ShowMyTradesの数字は純額です。手数料とスワップは両方の合計に含まれ、建値で決済して手数料を$7払ったトレードは負けとして記録されます。バックテストや販売者の運用成績レポートが示すのは、たいていコスト前の数字です。2つを並べて比べるべきではありません。

❓ よくある質問

高い勝率が本物の優位性になることはありますか?

あります。ペイオフレシオが釣り合っていれば、です。勝率68.8%で1:1ならプロフィットファクターは2.21で、強い戦略です。問題は勝率そのものではなく、勝ちで得る以上を負けで払うことで手に入れた勝率なのです。

実際には、どのくらいのプロフィットファクターを目安にすればよいですか?

口座ページでは色分けされています。1.0未満は赤、1.0〜2.0は琥珀色、2.0以上は緑です。口座群の中央値は1.28(琥珀色)、決済済み取引が100件以上の口座では1.29なので、サンプルが十分になっても数字はほとんど動きません。長い履歴で3.0を超えているなら、取引一覧を開いてみてください。再現しそうにない巨大な勝ちトレードが数件あるだけ、ということがよくあります。

損切りを使い始めたら勝率が下がりました。腕が落ちたのでしょうか?

ほぼ確実に逆です。負け側の損失に上限を設ければ、勝率は下がって当然です。変化は勝率ではなく、期待値とプロフィットファクターで判断してください。

ほとんどのトレードで勝っているのに、シャープレシオが低いのはなぜですか?

シャープレシオはリターンをボラティリティと比べる指標で、まれに起きる大きな負けもボラティリティだからです。公開口座のシャープレシオの中央値は0.05。小さな勝ちの合間に大きな負けが挟まる形こそ、高い勝率とゼロに近いシャープレシオの典型的な組み合わせです。

他人の口座の平均利益と平均損失も見られますか?

所有者が公開していれば見られます。詳細統計は公開ページの一部で、自分の口座と同じ項目が並びます。ただし、その元データがブローカーから届いたものかどうかは、別の問題です。認証済みと未認証の運用実績の違いをご覧ください。

自動売買の口座だと、何か変わりますか?

何も変わりません。計算はEAでも裁量トレーダーでもまったく同じです。ロボットは同じ偏ったペイオフレシオを、より一貫して当てはめるだけです。

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