指標·用語集

ドローダウンとは?定義・計算式・実際の数字

ドローダウンは、口座の価値がピークからボトムまでどれだけ下がったかを示す割合です。計算式、損失が積み重なっていく理由、数千の実際の取引口座のデータを紹介します。

ドローダウンとは、口座の価値が直前のピークからその後の安値まで下がった幅を、ピークに対する割合で表したものです。1回の取引でいくら失ったかではなく、口座が自らの最高点からどこまで落ちたかを測ります。損失は積み重なっていくため、20%のドローダウンは1回の大きな失敗からも、40回の小さな損失からも同じようにできあがります。

仕組み

どの口座にも、常に更新されるハイウォーターマーク(過去最高値)があります。口座がこれまでに到達した最高の価値のことです。ドローダウンは、ある時点でその水準をどれだけ下回っているかを示します。

ドローダウン % = (ピーク時の値 − 現在の値) / ピーク時の値 × 100

ハイウォーターマークは上にしか動きません。新しい高値をつけるとそこが新たな基準になり、ドローダウンは0に戻ります。それまでは、口座が下落していても横ばいでもみ合っていても、ピークを下回っている日はすべてドローダウン中の日です。

この数字が実際に何を意味するかは、次の3つの区別で決まります。

  • 相対と絶対。相対ドローダウンは上の式で求める割合です。MetaTraderが表示する絶対ドローダウンは、初回入金額を下回った幅を金額で示すもので、まったく別の数字です。今ピークから40%下にある口座でも、0%と表示されることがあります。
  • 有効証拠金と残高。有効証拠金ベースのドローダウンは、保有ポジションの含み損も数えます。残高ベースのドローダウンは決済済みの取引しか数えないため、確定させない損失は一度も表に出てきません。
  • 現在と最大。現在のドローダウンは、口座が今日どこにいるかを示します。過去最悪の値は最大ドローダウンで、多くの運用実績が掲げるのはこちらの数字です。

なぜ重要か

損失と利益は、複利の上では対称になりません。そのためドローダウンは、その戦略に資金を預けられるかどうかを左右する制約になります。20%下がれば、元に戻すには25%の収益率が必要です。50%下がれば、100%が必要です。

50%を超えると、取り戻す作業のほうが、その原因になった損失より大きくなります。

人を市場から退場させるのも、この数字です。急激で激しい下落の最中にやめる人はほとんどいません。そのときの感情は希望だからです。人がやめるのは、横ばいの回復が9か月目に入ったころです。深さは半分にすぎず、残りの半分は期間です。そして期間は、リターンのチャートには映りません。

さらにドローダウンは、エントリーの質よりもはるかに、ポジションサイジングと損切りの規律から直接生まれるものです。同じシグナルで違うロット数を使う2人のトレーダーは、勝率はまったく同じでも、生き残れるかどうかはまったく違ってきます。

実データから見えること

以下の数字は、ShowMyTradesで公開されている口座のものです。トレーダー全体を調べたものではありません。取引履歴のある公開口座(2026年8月時点、同期済みの取引15,436,464件)では、これまでに記録した最大ドローダウンの中央値は9.7%です。

同じ口座群がどれだけ稼いだかと比べてみます。時間加重収益率の中央値は+3.2%、63.0%の口座が通算でプラスです。つまり真ん中にいる口座は、最終的なリターンのおよそ3倍にあたる下落を、ピークからボトムまでの途中で経験したことになります。背負ったリスクは結果より大きく、それも「少し」ではなく「数倍」大きいのです。

ドローダウンは、深さそのものより、この比率で見ると意味がわかります。大きな利益をうたいながらドローダウンは2〜3%、という公開データもありえないわけではありません。ただしこの分布の端に位置しており、そうした例外の裏付けは、口座ページのほかの情報で示されなければなりません。

ShowMyTradesで確認できる場所

公開されているすべての口座ページの口座統計パネルには、平均月次リターンのすぐ下の2行に、2つの数字が続けて並びます。保有ポジションの含み損も含めて有効証拠金で測るドローダウンと、決済済みの結果だけで測る残高ベースのDDです。どちらも今日の値ではなく過去の最大値で、口座の持ち主ではなくブローカーのデータから算出されます。

チャートのモジュールにはドローダウン表示があり、口座の全期間の日次ドローダウンを棒グラフで描きます。下落の期間を推測ではなく目で読み取れるのはここで、パーセンテージ1つでは伝わらない情報です。ドローダウン計算ツールを使えば、自分の残高で回復の計算ができます。

よくある誤解

  • 「ドローダウンは一番大きな負けトレードのこと」:違います。ピークからボトムまでの累積の道のりで、勝ちトレードも含め数百件の取引が入っていることもあります。
  • 「回復したらドローダウンは0に戻った」:0に戻ったのは現在のドローダウンです。最大ドローダウンは決して下がりません。良い四半期が悪い四半期を帳消しにしないよう、そう設計されています。
  • 「ドローダウンが小さい=リスクが小さい」:歴史の浅い口座なら、たいていは「まだ試されていない」という意味です。ここでの公開口座の中央値は決済済み取引171件です。数百件に満たないうちは、小さなドローダウンはリスクの特徴ではなく、サンプル数の問題です。
  • 「残高ベースのドローダウンこそ本当の数字」:見栄えがいいだけです。グリッドやナンピンのシステムは、負けポジションを決済しないことで、まさに残高ベースのドローダウンを小さく保っています。

口座ページのほかのすべての数字とあわせてドローダウンをどう読むかは、取引口座ダッシュボードの見方を参照してください。

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